10月20日は「疼痛ゼロの日」


イベントレポート

JPAP®市民フォーラム
「イタミヘノ イタワリ モット。」開催報告

― 開会挨拶・総論「がんはもう痛くない」
JPAP®代表世話人・JR東京総合病院院長 花岡一雄氏

開催に先立ち、疼痛治療に取り組む医師の姿を追ったJPAP®ドキュメントビデオが上映され、JPAP®代表世話人・JR東京総合病院院長 花岡一雄氏より開会挨拶/総論「がんはもう痛くない」と題した基調講演が行われました。講演の中では、2000年当時、疼痛治療・緩和ケアへの理解は低く、様々な誤解、知識不足があったこと、それを打開するために2003年にJPAP®が設立され、様々な啓発活動を行ってきたことについての説明がありました。JPAP®設立から5年を経て、「緩和ケア」という言葉の認知度は高まり、「緩和ケア」の体制も整ってきたものの、緩和ケア専門医および緩和ケアチームの不足、「がんの痛みは取ることができる」という知識が本当に普及しているのか?などの課題があると言います。

「痛みは、大きく分けて手術や切り傷などのときに感じる『侵害受容性の痛み』、痛みを伝える神経の損傷による『神経障害性の痛み』、ストレスや精神的負荷などによる『心因性の痛み』の三つがあり、これらの痛みを放置すると、次第に相互の痛みが関わり合うようになり、治療が非常に困難となるため、痛みを感じる初期の段階から治療を開始することがとても大切だと思います」とのこと。また、「疼痛治療に使用される『モルヒネ』は、その言葉のイメージからあまり使うとよくないと思われがちですが、『モルヒネ』に似た『モルヒネ様物質』は、もともと体内に存在する苦痛を和らげたり多幸感をもたらしたりする物質で、がん性疼痛のような激しい痛みの場合、この分泌が十分でない状態にありますので、不足分を補う形でモルヒネを投与することには副作用も少なく問題はありません」と言います。さらに、疼痛治療を通して痛みが少なくなることで、免疫系も強くなり、治療にも役に立ってくるというメカニズムを紹介、改めて疼痛治療の有効性が強調されました。

JPAP®は医療用麻薬(モルヒネなどのオピオイド)に対する正しい知識を広め、日本における疼痛治療の訴求をさらに進めていくことを改めて確認し、最後に来場者へのメッセージとして「がん治療の進歩とともにがんの痛み治療も進歩しなければ痛みに苦しむ患者さんが増える、『痛み』を我慢していたら、がんと向き合えない、『我慢しない、させない』疼痛治療を目指すとともに、ぜひ、がんの痛み治療に興味を持っていただき、周りの方にもがんの痛みは取ることができることをお話してください」と伝え、講演を締めくくりました。