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イベントレポート

緩和ケアを知ろう ホスピスの現場からJPAP®高校生対象
「緩和ケア研修・ボランティア体験プログラム」開催報告

高校生を対象にした“緩和ケア研修・ホスピス体験プログラム”

JPAP®では、2009年8月7日(金)に秋田県・外旭川病院ホスピス(ホスピス長:嘉藤茂)との共催で、高校生を対象にした“緩和ケア研修・ホスピス体験プログラム”を同ホスピスにて開催いたしました。 秋田県で唯一のホスピスである外旭川病院ホスピスで、県内の福祉科・介護福祉科の高校生20名に、緩和ケアの講義を受けてもらうとともに、同施設毎年恒例の夏祭りに、ボランティアスタッフのお手伝いとして参加し、実体験を通じて、緩和ケアに対する認知、理解を深めてもらいました。

午前の部:緩和ケア講義

開会にあたって外旭川病院 院長 三浦進一先生よりごあいさつをいただきました。同ホスピスで妻を看取った「秋田にホスピスを増やす会」代表の田口良実氏や同ホスピスのボランティアスタッフ、そしてホスピス長・嘉藤医師という立場の異なる方々より、「緩和ケア」、「ホスピス」についてご自身の体験談を交えながら講義をしていただきました。

1)がん患者ご家族の体験談「妻の死から学んだこと」
“秋田にホスピスを増やす会”代表 田口良実氏

田口さんは、末期がんの奥様を外旭川病院ホスピスで看取ったことをきっかけに、秋田県内にはホスピスがまだ足りないと気づき、秋田県にホスピスを増やす会を立ち上げ、現在も患者会の活動をしていらっしゃいます。
「緩和ケアの出会いの経緯は、妻が乳がんと診断され、抗がん剤治療を開始しましたが、副作用がひどく、また痛みもコントロールできない状態になってしまいました。そこで、ホスピスのある病院に行くことを決断。ホスピスでは、綿密な痛みのコントロールをしてもらい、妻が久しぶりにぐっすり眠れたと言っていたのが、非常に印象に残っています。」田口さんは奥様の死から、適切な痛み止めの処方の重要性と患者とその家族を支える環境の必要性を強調されておりました。

2)ボランティアスタッフ体験談「ボランティア体験を通して感じること~ホスピスの現場から」
外旭川病院ホスピス ボランティア 青木綾子さん

ボランティア活動を始めて5年がたった現在、青木さんが活動を通して学んだことや感じたことを患者さんとのエピソードを交えながらお話していただきました。
活動を始めたきっかけは、自分自身納得できることがやりたいと思い立ち、ボランティア講習を受けたことで、2004年からこのホスピスで手芸、園芸、お菓子作り、折り紙、朗読会といった様々な活動をされているとのことです。
「最初は失敗の連続で、活動を続けるのがつらくなり辞めようと思っていました。辞めなかったのは、患者さんの最後まで自分らしく女性らしく生きていくという強い姿に感動し、もう少しがんばってみようと思ったから。」
最後に「ボランティア活動とは一方的に相手に尽くすという意味の奉仕ではなく、自分のための体験学習でもあり、『相手からも色々なことを学ぶ』ことだと思います。」とこれからの活動をさらに充実させていくことをお話されていました。

3)「緩和ケアとは?」
外旭川病院ホスピス ホスピス長 嘉藤茂先生

「介護や福祉の仕事を目指すみなさんにとって患者さんごとに考えていく作業はとても大切です。」とまず、講義の前にお話されました。
講義では、嘉藤先生が研修医の時に出会った患者さんのがんの痛み治療に取り組んだエピソードから緩和ケアについてご講演いただきました。「現在、日本では 3人に1人ががんで亡くなっている現実がある中で、Cure(治療)できるがんとできないがんがあります。緩和ケアのcareはcureできる・できない患者さんにもできる医療です。」と緩和ケアの重要性を強調されました。がんの痛みは、痛み治療をしないかぎり継続しますが、鎮痛薬が有効な場合が多く、9 割がコントロール可能であることを説明されました。
このがんの痛みを取り除く医療用麻薬は、医療用としてきちんと患者さんに処方することによってQOLが向上します。「いろいろな誤解がありますが、がんの患者さんで痛みがある人に投与するときは、中毒にならない。最後に使う薬ではなく、痛みがあったら使う薬でその強さにより量を調節する」と医療用麻薬の正しい知識についてお話いただきました。
「ホスピス医として、生きることを支える仕事はとてもやりがいのある仕事であること、緩和ケアは医療の基本であり、死は誰もが体験することである。」とお話され、講義を締めくくられました。