
戦後から1980年代にかけて、世界中でがんで亡くなる方が増加しました。日本も例外ではなく1981年から現在にいたるまで、がんが死亡順位の第一位を占めています。当時は、MSコンチンなどの長時間作用型の経口オピオイド鎮痛薬もなく、アヘン戦争などで培われたモルヒネに対する誤解や偏見も根強く残っていました。モルヒネは死の間際にようやく投与されていました。
患者さんは痛み治療も十分ないまま、最後まで治療を継続し、苦しい闘病を強いられていました。日本で本格的に緩和病棟やホスピスが作られ、痛み治療が広く行われるようになったのは「WHO式がん疼痛治療法」が日本にもたらされてからでした。